アーステクニカ八千代工場には、
破砕機の重要な部品である「耐摩耗鋳鋼品」を
製造する鋳鋼工場があり、
原料となる金属を溶かして合金を造り、
鋳型に流し込み、
仕上を行うという一連の工程を経て
多種多様な鋳鋼品が生み出されています。
耐摩耗鋳鋼品の生産量日本一の
専門工場である鋳鋼工場の
「スタッフ」として活躍する若手技術者たちが、
仕事の難しさや面白さ、
ものづくりへの想いを語ります。

宇井
アーステクニカのメイン製品である破砕機の重要部品の一つが、私たちの手掛ける耐摩耗鋳鋼品です。鋳鋼品の出来栄えが破砕機の性能(処理能力)を左右するわけですから、責任が大きくやりがいがあります。さらに「温度・成分など、同じ条件でつくっても毎回同じものができない」という面白さもあります。
伊東
私は学生時代に金属工学を専攻していましたが、大学の研究室の実験ではありえない量の合金を鋳込むスケールの大きなものづくりに携われることにやりがいを感じます。思い返すと、採用面接の際に八千代工場を見学する機会があったのですが、鋳鋼品製造の現場を初めてみた時は興奮しました。このような大きな規模の鋳鋼品製造に携わりたい!と思い、志望意欲が一層強くなりました。
佐藤
当社の鋳鋼品は、お客様ごとに異なる「これくらいの大きさに岩を砕きたい」というニーズに合わせたものづくりが特徴です。基本形状の部品のみならず、オーダーメイド形状の部品をつくる多品種少量生産を行っています。常に違う製品に取り組むことができるところが、とても気に入っています。
三木
鋳鋼品をつくる仕事には、独特の奥深さがあります。製造の最上流工程にあたる鋳造方案(※1)の設計では、「溶湯の流れを予測した鋳型の設計」「品質を確保するための押湯(※2)設計」「凝固冷却による収縮を考慮した木型(※3)寸法設計」を行います。その際、求められる品質を実現することはもちろん、いかに効率よく鋳鋼品や鋳型を造るかを検討し品質と生産性やコストを両立させることが求められます。経験と技術が必要とされる難しい課題ですが、非常にやりがいがあります。

※1
鋳造方案 溶湯(鋳造に使う溶けた金属)を鋳型内部の隅々にいきわたらせ、さらに欠陥を生じることなく凝固・収縮させて高品質な鋳造品を完成させるために鋳造に関わる様々な要素を企画・設計すること。

※2
鋳型に流し込んだ金属が凝固する際に収縮して隙間ができるのを防ぐため、鋳型に余分に注入する溶湯のこと。

※3
鋳型を製造する際に使用する、木製の鋳鋼品のレプリカ。

伊東
私は以前に、「鋳込んだ製品が仕上げの熱処理で割れる」というトラブルに直面しました。何回も鋳造方案を練り直しても改善できませんでしたが、原因を究明する議論の場を設けてもらい、何とか解決できました。難しい問題を解決できたことはその後の業務における自信につながりましたし、議論の場で先輩方の知識や発想に触れることができ、大変勉強になりました。
佐藤
私は、「中子(鋳型にセットして穴形状などを作るための砂でできたパーツ)の強度が出せない」というトラブルが印象に残っています。製造条件を精査してみると、「中子に混ぜ込む樹脂硬化剤を切り替えた際に、規模の小さなテスト用設備でしか試験を実施していなかったため、実際に投入すべき分量を間違えていた」とわかりました。ものづくりにおいて現物で確認することの重要性を学んだ出来事でした。
三木
私は、入社3年目に携わった海外駐在の経験が財産になっています。鋳鋼品製造の作業手順や勘所を文書化し、川崎重工業が中国で新たに立ち上げる工場に1年ほど駐在し、現地の技術者に鋳鋼品製造技術を教育する業務を任されました。当時、ベテラン技能者のノウハウを懸命に学んで文書にまとめた経験は、現在の私の大きな支えとなっています。
宇井
納期直前に品質不良が発覚したことがありました。工程管理担当だった私は、鋳鋼工場の各職場に突発的な対応を依頼しました。「嫌がられるだろう」と覚悟して交渉に臨みましたが、全員が「お客様のためだから」と快く引き受けてくれました。「当社はみんながお客様への強い想いを持っているのだ」と改めてわかり、うれしくなりました。
伊東
鋳鋼品のメーカーでありユーザーでもあるアーステクニカでは、納得のいくものづくりができます。鋳物をつくる私たちの職場と、それを使って機械を組み立てる職場が一つの工場にありますので、組み立て段階で品質や組み立てやすさに問題があると、すぐにフィードバックされてきて、改善に取り組むことができます。
宇井
当社では、若いうちからいろいろな挑戦が可能です。私の提案したアイデアに対して「時期尚早だ」とブレーキをかけられることはありません。しかも「自分のアイデアなのだから自分一人の力でやりなさい」というスタンスではなく、しっかりとサポートしてもらえます。サポートがあるから失敗を恐れずに挑戦でき、自分のアイデアを実現していく経験から日々成長を実感できます。
佐藤
長年にわたり蓄積してきた数千点もの木型を活用しながら、30種類以上の材質を使い分けてお客様のニーズに高いレベルで応えていく当社は、鋳鋼品において他の追従を許さない存在です。また、大型の機械を手掛けるチャンスに溢れている点も魅力があります。「でっかくてロマンのある機械をつくりたい」という人は、ぜひ注目して欲しいと思います。
三木
鋳鋼品は成熟した領域と思われがちですが、実際はかなり刺激的です。より生産性が高くて環境にもやさしい鋳鋼品の実現に向けて、イノベーションへの意識が高まっていて、湯流れ解析や凝固シミュレーション技術、自動化ロボットなどの新技術の導入が積極的に行われています。これから入社してくる人材も含めて、私たち若手が中心となって、当社の鋳鋼品を次世代へと進化させていきたいですね。